九月二十四日
交叉する真実
友人が泊まりに来ていた。とても変わった人なので、突然家に来て特に世間話をすることもなく、同じ空間、瞬間に偶然存在していたかのような距離感でスマホを見ていた。こっそり覗いてみると、このホームページの日記を開いていた。彼なりに、俺との世界を繋げようとしていたのかも知れない。けれども、どことなく彼の大きく逞しい背中に影が落ちているの感じた。それは、この部屋の照明が暗いためか、それとも、何か背負ってしまったのか・・・。以前、彼に貸した戦争中の戦記小説を返却されたので、感想を訊ねる。これはあの時代に書かれたものであるから、今とは全く異なる捉え方で読むことが出来た。案外それも真実なのかも知れない。そのような感想を話してくれた。俺は思わず、「そうや」とこぼした。そうなんや。戦争は絶対悪であることが前提で、それでもそれぞれ、一生懸命やった。このことは哀れに思われるべきで、感謝や賞賛にしてはいけないと俺は思っている。矛盾しているのだ。それほど複雑で一つの思想では語れない。考えている間に夜も深くなった。先ほど淹れたアイスコーヒーの氷も溶けきり、なんぼか飲み易くなっていた。時間が濃さを薄めてゆく。赤い布団に潜り込み、友の横顔を見つめる。俺たち二人がこの時代、この時に出逢った不思議を感じる。なんだか前にもこの光景を見ている気がする。
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